親しい方の四十九日法要の案内状を受取った。法要は葬儀やお通夜と違って、招待を受けて参列するものですから、招待されたら出席するのがマナーだと聞いている。そこで、なるべく都合をつけて参列したい。でも正しいマナーについては自信がない。
そんな方のために、そもそも四十九日の法要って何なのか、といった初歩的な疑問から、供花・供物の選び方、供物料(香典)の相場、服装マナーなどを2回に分け、しっかりと掘り下げてマナーが不安といった悩みを解決したいと思います。
ここでは、法要の供物料(香典)の相場、挨拶の例文、拝礼の仕方、会食(お斎)のマナーについてお伝えします。
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四十九日法要の供物料(香典)について
四十九日法要の香典について、悩まれる方も多いのではないでしょうか。ここからは、供物料の金額相場から不祝儀袋の書き方までを解説していきます。
供物料と香典の違い
供物料と香典は混同されやすいのが、その違いは何でしょうか。
一言で言えば、通夜や葬儀・告別式に渡すものを「香典」、法事・法要で渡すものを「供物料」と呼びます。
香典と供物料は、供養のために遺族にお渡しするお金であり、趣旨としては同じなので混同しやすいものですが、上記のようにお渡しする時期の違いによって変わります。
供物料の金額相場
四十九日法要での供物料の金額相場は、故人との親しさの程度によって変わります。また、これに加えて四十九日法要のあとに会食(お斎)があるかどうかでも変わってきます。
※お斎はおときと読みます
故人と血縁関係がある場合は10,000円~30,000円
故人と血縁関係がない友人などは5,000円~10,000円
その中でもお世話になったという方は10,000円~30,000円
が相場です。
また、会食がある場合の相場は、これらの相場よりも上がります。
故人と血縁関係がある場合は20,000円~50,000円
故人と血縁関係がない友人などは10,000万円~30,000円
故人と血縁関係がない友人の中でもお世話になったという方は30,000円〜
これらが相場です。
不祝儀袋の書き方
四十九日での不祝儀袋には、「御霊前」ではなく「御仏前」と書きます。これは、極楽浄土に行けるかどうかが決まる四十九日を境に故人が仏様になるといわれているからです。
しかし、宗教によって異なる場合もあるので注意が必要です。例えば、浄土真宗の場合は通夜の段階から「御仏前」と書きます。聞ける場合は、前もって故人の宗派を聞いておくと良いでしょう。
四十九日のその他のマナーと挨拶例文
時間を守り、途中で帰らない
法要の場では時間厳守です。会場に到着したら施主や家族にあいさつをして供物や供物料を差し出します。最後まで退席しないのがマナーです。
法要は、施主があらかじめきちんと準備をして営まれるものです。宴席も、参列者一同がそろったことを確認した上で施主のあいさつがはじまります。参列者はそこに招かれて行くものですから、時間に遅れたり、途中で勝手に退席したりするのでは招いた人に失礼となります。
特別の事情が生じたときは、きちんと施主側に連絡をしておきます。法要が始まる少なくとも20~30分前には会場にうかがい、施主のあいさつのあとに会場を出ます。また、大声などはつつしみ、節度を保って故人を偲ぶことはいうまでもありません。
あいさつをする
法要の会場に着いたときは、「本日は、お招きをいただき、ありがとうございます。ごいっしょにご供養をさせていただきます」といったように、招かれたお礼の言葉を述べます。
葬儀や告別式ほどあらたまる必要はありませんが、遺族をいたわる言葉も必要です。また、供物や供物料は、「御仏前にお供えください」と差し出します。
宴席でのあいさつの例文・友人
宴席でスピーチを依頼されたとき困らないように、例文を挙げましたので参考にしてください。
「私は、○○君の大学時代からの友人で、△△と申します。本日は、○○君の一周忌の法要にお招きくださいまして、ありがとうございました。ご指名をいただきましたので、ごあいさつを申しあげます。
久しぶりに○○君のご仏前にお参りをさせていただき、なつかしい気持ちでいっぱいです。また、多くの皆さんがお集まりになっているのを拝見して、あらためて○○君のお人柄がしのばれます。
(中略・故人との思い出などを語る)
ご家族の皆さまも元気を取り戻されたご様子で、安心をいたしました。たいしたお力にもなれませんが、なにかありましたらご遠慮なく声をかけてください。思いつくままにて失礼をいたしました。」
宴席でのあいさつの例文・教え子
「○○先生、先生が亡くなられてから1年がたちました。校門の大きなイチョウの木が色づくころになりますと、悲しい知らせを受けたあの日を思い出します。
私が3年生のとき、テニス部の部長という責任を果たすことができたのも、先生が顧問として私たちをやさしく、ときにはきびしく指導してくださったおかげです。
(中略・思い出話などを語る)
先生の思い出は、いつまでも消えることはありません。これからもずっと、私たちを見守っていてください。先生の教えを忘れずに、がんばっていきます。よろしくお願いいたします。」
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祭壇に拝礼するときの作法
仏式
仏式では、僧侶の読経がはじまったら、参列者は焼香をします。故人との縁が深い順に、家族単位で行います。仏前に進んで正座し、施主に一礼してから正面を向き、遺影や位牌を仰いで深く一礼します。
抹香をつまんで香炉に入れるのを3度(宗派で異なります)くり返し、胸もとで合掌し、深く一礼します。ふたたび施主を向いて一礼してから席に戻ります。焼香のあと僧侶の法話に静かに耳をかたむけ、終了したら合掌します。
神道
神式の祭霊では、参列者は玉串をささげます。玉串奉奠(たまぐしほうてん)を遺族だけが行う場合、一般参列者は、二礼二拍手一礼の拝礼をします。一年祭までは、拍手(かしわ手)は音を立てないしのび手ですので、注意しましょう。
神職によるお祓いや祭詞奏上のときは、深くおじぎをします。
キリスト教
キリスト教式では、カトリックの場合は、ミサは神父の司会で進められ、聖歌を合唱し、祈りをささげます。プロテスタントの場合は、聖書朗読、賛美歌を合唱し、牧師とともに祈りをささげます。
偲ぶ会・追悼の会
最近では、特定の宗教や宗派にこだわらないで故人をしのぶことが多くなってきました。「偲ぶ会」「お別れ会」「追悼の会」「思い出を語る会」など名称はさまざまですが、無宗教で葬儀・告別式を行った場合に、この形式をとるのが一般的です。
招かれた場合、会場には数珠や十字架など、特定の宗教を象徴するものは持参しないことです。仏教的なお悔やみの言葉も避けましょう。服装は、男性はダークスーツ、女性はワンピースやスーツなど、地味な服装であれば問題ありません。
こうした会は会費制で、案内状に金額が明記されている場合がほとんどです。不祝儀袋は使わないように注意しましょう。
一方、こうした会を主催する側は、関係者を招いて飲食するだけでなく、会場では故人の写真や遺品を展示したり、ビデオの上映、有志による追悼演奏など、無目的な印象にならない工夫や演出がされています。
偲ぶ会・お別れ会を開催する方法についてはこちらを参考にしてください。
法要後の会席(お斎)のマナー
法要の後、施主が列席者を招待して行なう食事(会席)の場をお斎(おとき)と言います。お坊さんや参列者に対する感謝の思いを示した席であり、参列者全員で思い出話をして故人を偲ぶ目的もあります。
お斎は法事の後なので、そのままの服装で参加することがほとんどです。施主や親戚がそのままであれば、服装を崩しにくいものです。施主が上着を脱いだり、平服に着替えたりしたら、それに倣っても問題はないでしょう。
自宅の場合は別室での会席をしますが、場所を移動する場合もあります。お寺で法要をした後、近くの料亭やレストランでする例も多い。故人をしのびながら会食となります。
法事の後、お斎に参加できない場合は、はっきりとに施主に告げましょう。お斎の食事は、人数分用意するので曖昧であると迷惑になります。
まとめ
記事が長文になりましたので、ポイントを簡単にQ&A形式でまとめてみましたので、参考にしてください。
Q:四十九日とは?
A:四十九日(七七日)とは、仏教の考えかたで「極楽浄土に行けるか否かの審判が下される日」のことをいい、故人の次の世が決まる日です。
Q:四十九日法要を行うのはいつ?
A:四十九日の日に行うのが良いですが、難しい場合は四十九日以前の近い日に前倒しするのがしきたりで、後には行いません。一般的には四十九日直前の週末の土日に多く行われています。
Q:四十九日法要の供物料における金額相場は?
A: 四十九日法要での香典の金額相場は、故人との関係性や親しさの程度によって変わります。
故人と血縁関係がある場合の相場は1万円~3万円
故人と血縁関係がない友人などは5千円~1万 円
その中でもお世話になったという方は1万円~3万円が相場です。
会食がある場合はこれらの相場よりも上がります。
Q:四十九日法要の不祝儀袋の書き方は?
A: 四十九日での香典袋には、「御霊前」ではなく「御仏前」と書きます。
ただし、宗教・宗派によって異なる場合もあるので注意が必要です。
Q:四十九日法要のマナーは?
A: 法要の場では時間厳守です。
法要の会場に着いたときは、「本日は、お招きをいただき、ありがとうございます。
ごいっしょにご供養をさせていただきます」といったように、お礼の言葉を述べます。
礼拝の仕方は宗教によって違いがあるので、注意が必要です。
Q:四十九日法要の服装マナーは?
A: 四十九日法要では参列者は、男性がスーツ、女性がワンピースやスーツ、アンサンブルを着ます。
招待状を受けたさいのマナーについてはこちらを参考にしてください。
四十九日法要を主催する際の注意点についてはこちらを参考にしてください。
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