一周忌法要の準備-日程,場所,招待者,引き出物などを決める

一周忌準備のイメージ写真 法要・供養

一周忌法要とは、故人が亡くなってから初めて執り行われる年忌法要のことです。

故人が亡くなってから一周忌までを喪中とすることが多いため、一周忌法要は遺族にとって大きな節目になる法要と言えます。

そこで、一周忌を迎える遺族のために、一周忌法要の準備の仕方について説明します。

一周忌法要の日程を決める

一周忌法要を行う際には、最初に日程を決めます。一周忌は満1年目の祥月命日ですが、平日に当たる場合は前倒しをして土日祝日に行われることになるようです。

日程はどうしてもお寺の都合が優先されますので、まず菩提寺に連絡し、予定を確認しなければなりません。さらに、遺族や親せきの予定なども考えながら決めます。

一周忌法要を営む場合、「前倒しにしてもいいが、後ろ倒しにしてはならない」とされています。これは葬送儀礼全般に言えることです。

たとえば亡くなった日が7月21日で、翌年の7月21日が水曜日だった場合、17日~18日の土日に行うことは問題ありませんが、24日~25日の土日に行うことはあまりよくないとされているのです。

お寺によっても違うようですが、一応「1か月程度の前倒しならば問題はない」とされているようです。

一周忌の日取りにタブーはあるのか

「葬儀のときには、友引は避けた方が良いと聞いた」という人もいるでしょう。これは中国の六曜の考え方によるものです。

 しかしこの六曜は、実は仏教とは何の関わりもないことです。そのため、これを気にする必要はありません。

ただ、参加してほしい人にこれを気にする人がいれば、念のため避けて置いた方が無難でしょう。

一周忌法要の場所を決める

一周忌法要を行う場所についてですが、これには特に決まりがあるわけではありません。ただ、候補として、「自宅」「お寺」「ホテル」「セレモニーセンター」「霊園の施設」などが挙げられます。それぞれのメリットは以下の通りです。

お寺

故人が信心深い人だった場合、故人が信じた宗教・菩提寺を会場として法要を行えば、遺族はしっかりと供養できたということで、精神的な充実感が得られます。また、菩提寺との関係を密にすることもできるため、今後の冠婚葬祭でもお世話になりやすいという利点もあります。

セレモニーセンター(会館)

葬儀会社が運営していることが多いため、何かと助けになります。葬儀を依頼した葬儀会社の会場を使う場合、葬儀会社の方でもデータを保管しているため、故人に関する説明の手間も最小限に抑えられると考えられます。

ホテル

設備が整っていることが多く、足腰のよくない人などのハンデがある人でも参加しやすい。食事の手配も簡単で、細かな対応などもお願いしやすいといった利点があります。

霊園などに併設されている法要施設

お墓のある霊園を使う場合、お墓への移動距離が最短となります。

会場を選ぶ際のポイント

会場を選ぶ際のポイントはお墓に近いか、食事会場に近いか、バリアフリーなどの設備が充実しているかなどで決めると良いでしょう。

「どこで行うのが良いか」「行うべき場所の候補が出せない」などのように迷っているのであれば、お寺や霊園施設の管理者、あるいは葬儀会社に問い合わせをすることをおすすめします。

移動距離が長い場合は、別途バスの手配などが必要となることもあります。

お寺の場合は正座が前提となることも多く、足に負担がかかりやすいため、足腰が弱い人がいるならば注意が必要です。事情を話して、イスを持ち込めるかどうかを確認するのもよいでしょう。

お寺への連絡

一周忌法要の場所と日時の目安を決めて、菩提寺に連絡をします。

菩提寺がある方

菩提寺(ぼだいじ)とは、先祖代々のお墓のあるお寺のことです。菩提寺がある場合には、菩提寺に連絡をして、読経の依頼を行います。

急な場合はお寺も対応できない事があるので、1ヵ月~2ヶ月前を目安にお寺に手配の予約をすることをお勧めします。

お寺とお付き合いが無い方

菩提寺が無い場合には、知人縁故からお寺を紹介してもらう方法や、葬儀の際にお世話になったお寺に相談する方法があります。

最近では、インターネット上でお坊さん手配サービスを利用される方も増えています。

自宅はもちろん、手配したお坊さんのお寺での法要も行えるので、菩提寺がない方には便利です。

法要へ招待する人を決め連絡する

「誰を招くか」については、明確な決まりがあるわけではありません。家族だけで小さく行う場合もありますし、親族まで声を掛ける場合もあります。

「もっと大勢の人と話をしたい」と考える場合は、故人の友人や知人、会社関係の人まで招待することもあります。

具体的な範囲の例

招待する人の範囲の具体例を見てみましょう。

1. 親族も家族も呼ばない。施主1人と僧侶だけで見送る(特に、直系の家族が海外に住んでいたり、仲たがいをしていたりする場合)

2. 親族は呼ばないで、一緒に住んでいた家族だけで見送る

3. 親族まで呼ぶ

4. 親族までと、故人が親しくしていた友人で見送る

5. 職場の人や近所の人にも声を掛ける

一般的には3ですが、2や4のケースも見られます。とはいっても、特段、決まりがあるわけではないので、どの程度の規模で行うのかは故人や親族の気持ち次第になります。

ただ、「呼んだ、呼ばない」は後々親族間の亀裂を生む可能性もあるので、このあたりは注意が必要です。

また、故人がエンディングノートなどにこのあたりまで呼んで欲しい、との記載あればそれに従うべきです。

エンディングノートとは:終活の一環として記されるノートで、葬儀や終末医療、財産の分配などについて記したものです。

一周忌法要の連絡方法

連絡は、基本的には案内状で行います。ただ、家族や親族など、限られた範囲にしか声を掛けない場合は、電話で済ませても問題ありませんが、案内状を使う事で日時や場所を間違えずに伝える事ができて確実です。

一般的には法要の1ヵ月前までに案内状を送り、2週間前までに出欠席の確認をとれるようにします。

法要後のお斎(おとき)の準備もあるので、あまり遅くならないように注意が必要です。
お斎(おとき)とは法要の後の食事のことです。

連絡時に注意すべきことは、

⚫︎ 法要を行う旨

⚫︎ 日時場所

⚫︎ 差出人の情報

⚫︎ 返信の期限

を記すことです。

なお、葬儀のときにお渡しする香典返しの挨拶状では季節の挨拶(上でいう「盛夏の候」)は入れませんが、一周忌法要の案内状には入れます。

葬儀のときのマナーであるとされている「句読点(『、』や『。』)は入れない」という考え方は、一周忌法要のときの案内状にも適用されます。

これは、「葬送儀礼を滞りなく行えるように」「元々は句読点を打つ目的は、読みやすくするため。葬儀の席で句読点を打つということは、相手を『読みにくい文章では読み取れないだろう』と軽んじていることにつながるから」とする考え方からだともいわれています。

ただ現在では、句読点をうち、読みやすくする方法をとっているところもあります。

遺族と親族だけで行うか、故人の友人なども招待するかを決めます。故人の友人を招待する場合は、葬儀の際の受付名簿などを参考にするとよいでしょう。

お斎(おとき)について決める

一周忌法要の後、一般的に会食を開きます。この会食をお斎(おとき)と言います。

会食をする場合は、会場が重要になります。大きなお寺で行う場合はお寺の会館が利用できます。自宅や他の場所で行う場合は近くの料亭やレストランなどでも問題はありません。参列された方が移動しやすいように、なるべく法要を行う場所と近いほうがよいでしょう。

会場別によるメリット・デメリットは、以下の通りです。

施設に頼む

移動距離を最小限に抑えられることと、すべてが用意された空間のなかで食事をとることができるのでとにかく楽です。ただし、料理の業者などは指定できず、施設と契約しているところにお願いすることになる可能性があります(※ある程度要望を聞いてもらえることもある)。

料亭・レストランに予約する

食事のレベルが高いことが多く、熱い方がおいしいものはあつく、冷たい方がおいしいものは冷たい状態で供されることがなんといってもメリットになります。

また、故人が好きだった店ならば、洋食なども構わないとされるので、和食に限定されないのが嬉しいところです。

ほかの2つと比べると、移動するための手間がかかります。

仕出しをお願いする

自宅で行う場合は特に便利です。比較的安価に抑えられるケースが多く、短時間で済ませたいときにも向いています。お弁当のようなかたちをとることが多いため、「味気ない」と感じる人もいるのが難点です。

これらは、どの方法が「良い・悪い」といえるものではありません。それぞれのニーズに合わせた方法を選んでいくとよいでしょう。

また、一周忌の場合は、基本的には生臭抜きのメニューにする必要はありませんから、選択肢の幅は広いといえます(※精進料理にしても問題はありません)。

ただし、一周忌も「法要」「仏事」ですから、お祝いの席によくみられる食べ物(タイなど)は避けます。

会食がなくても失礼にはなりませんが、その場合は引き出物と一緒に酒の小瓶と折詰弁当を用意します。

引き出物を決める

一周忌の場合でも供物料・香典を頂くのであれば、引き出物(香典返し)を用意します。

基本的には頂いた金額の半分から1/3程度でお返しをするのが相場ですが、お斎を用意している場合はその分お返しは少なくても良いとされています。

実際の金額は、2,000円から5,000円のものが多いようです。

お茶・紅茶などの飲み物や海苔

「キエモノ」を選ぶのが基本です。飲み切ってしまう・使い切ってしまえばそれで終わりです。

調味料セット

「自分ではなかなか買わない、しかしもらったらうれしいもの」ということで、ちょっと値段の張るスープや調味料のセットを渡すこともあります。

洗剤

「悲しみを洗い流す」という意味で、洗剤などを引き出物にすることもあります。

カタログギフト

最近では遠方からきた参列者の荷物にならないように、引き出物をカタログで選んでもらうという方法も、一周忌法要の引き出物としてよく用いられています。

一周忌の際には、参加者がお菓子や果物を持ち寄ることもあります。これを一度ばらして、引き出物と一緒にお持ち帰りいただくやり方をとることもあります。

かけ紙の表書きは「粗供養」「志」などとし、水引は黒白か銀の結び切りを用います。法要の後に食事の席を設けない場合には、折り詰めの料理と酒の小瓶を用意し、引出物といっしょに出席者にお渡しします。

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卒塔婆の手配

一周忌法要時にお墓に卒塔婆を立てるかを決めます。浄土真宗など卒塔婆を立てる習慣がない宗派もあるので、あらかじめお寺に確認するようにしましょう。なお、卒塔婆の金額は寺院や地方によって変わりますが、相場は3,000円〜が多いようです。


一周忌法要の意味や、一回忌との違いなどについてはこちらをご覧ください。

一周忌はやるべきなのか-その意味と一回忌との違い

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