一周忌法要はやるべきなのか-その意味と一回忌との違い

一周忌法要合掌イメージ 法要・供養

一周忌法要とは、故人が亡くなってから初めて執り行われる年忌法要のことです。

故人が亡くなってから一周忌までを喪中とすることが多いため、一周忌法要は遺族にとって大きな節目になる法要と言えます。

そこで今回は、

⚫︎ 一周忌法要の意味

⚫︎ 追善法要と年忌法要のちがい

⚫︎ 一周忌と一回忌の違い

⚫︎ 一周忌と納骨式

などを詳しく紹介します。

一周忌法要とは

一周忌法要とは、故人が亡くなってから満1年目の命日に行われる法要のことで年忌法要と呼ばれる最初のものです。

一周忌法要は、本来は故人が亡くなった月日のちょうど1年後の祥月命日に行う法要です。亡くなって1年という大切な節目であるため、家族だけでなく親族や故人の友人、知人など招いて行い、年忌法要のなかで最も重要とされています。

※祥月命日(しょうつきめいにち)とは、故人があの世へ旅立ったのと同じ月と日にちのことです。

仏教、神道さらにキリスト教においても、1年目のタイミングで行われる故人を追悼・供養する儀式は、それ以降の儀式と比べて重んじられる傾向にあります。

従来は祥月命日に行っていましたが、現在は祥月命日が平日の場合、その前の土日などにずらして行う場合が多くなっています。

法要の内容は僧侶による読経と参列者の焼香、法要後の会食(法事)が一般的です。

追善法要と年忌法要

追善法要の意味

法要を理解するために追善法要年忌法要の違いを見ておきましょう。

故人が亡くなってから、7日ごとに法要があります。四十九日法要までのこの法要を「追善法要」または「追善供養」と言います。

なぜ、「追善法要」「追善供養」と呼ばれるのかというと、極楽浄土に行けるように願いを込めて、生きている人が故人の代わりに善行(功徳)を追加するからです。

宗派によっても違いはありますが、生前の行いに対して死後7日毎に7回のお裁きを受け、極楽浄土に行けるかが決まるとされています。

これは亡くなった人は来世に生まれ変わるとされる「輪廻転生」の考えに基づくもので、来世には六道という6つの世界があります。

それぞれ天、人間、修羅、畜生、餓鬼、地獄とされ、どの世界に決まったとしても煩悩という苦しみがある世界とされており、それらを超越した存在として極楽浄土が存在します。

四十九日までの法要は故人がこの極楽浄土に行けるように願いを込めて執り行われるのです。

年忌法要の意味

四十九日法要を終えると、通常一周忌の法要を行ないます。一周忌からの法要を「年忌法要」と呼びます。

先ほど述べましたように、四十九日までの法要は極楽浄土に行けるように願いを込めて執り行われものでした。

それ以降の年忌法要は仏様への感謝の気持ちを伝え、故人をより良い世界へと導いてもらう為に執り行われると言われています。

年忌法要は通常、死後満1年を一周忌、満2年を三回忌とし、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌まで執り行われることが多いようです。

本来は年忌法要の前には、四十九日を喪に服する期間が終わるのを「忌明け」とし、命日から100日目に「卒哭忌(そっこくき)」とも呼ばれる百箇日法要を営むのがならわしとなっていました。

ところが、一年のうちに何度も親族が集まることが困難になったため、最近は四十九日法要の次は一周忌法要を執り行うのが主流になりました。

ちなみに、こうした故人を偲び祈る儀式の事を「法要」と言い、法要のあとの会食(お斎)までを含めた全体の事を「法事」と言います。こちらも混同されやすいので注意が必要です。

年忌法要の歴史的な意味については、「三回忌法要に必要な準備と施主の心構えは?お布施の相場や服装もお伝えします」で解説します。

一周忌と一回忌の違い

「忌日」の意味がカギ?

一周忌」と「一回忌」は、しばしば混同して語られます。しかしこの2つには明確な違いがあります。

これは「忌日」という意味を知ると分かりやすくなります。「忌日」とは命日を指す言葉で、「一回忌」とは亡くなったその年・命日を指します。ですから、亡くなった日が1回目の忌日とされているのです。

従って一回忌とは亡くなった当日、つまり忌日・命日の事を指し、亡くなった翌年に行われる儀式である一周忌は二回忌であるとも言えるのです。

ですから、この2つの間には1年の開きがあるのです。これは、「昔は数え年(生まれた年を1歳とする)で年を数えていたから」とも言われています。

ということで、三回忌は、満2年後の3回目の忌日に行われる法要になります。これで、二年後に行われるのに三回忌と呼ばれるのか不思議に思っていた方は、その謎が解けたのではないでしょうか。

「忌日」の意味を知って、理解しやすくなったのではないでしょうか。

「喪が明ける」とは?

喪が明ける」「喪中明け」とは、故人の死に対して喪に服していた遺族や親族が、喪中期間を終えて日常生活に戻ることを言います。

一般的に一周忌までが喪に服す期間であり、一周忌を境に喪が明けるとされています。

一周忌法要で執り行われること

従来、一周忌法要祥月命日に行っていましたが、現在は祥月命日が平日に当たっていて仕事や学校で都合が悪い場合には、日にちをずらすこともできます。

その際は、命日の後ではなく前倒しをするのがならわしです。

法要の内容は僧侶による読経と参列者の焼香、法要後の会食が一般的です。

一周忌法要には、遺族や親族、友人、知人など故人と親しかった人が参列します。僧侶の読経の後、焼香さらに食事(お斎:おとき)をするのが一般的です。

法要の食事おときのイメージ写真

一周忌法要は必要か

一周忌の法要は、必須と考える人が多いかと思います。ただそれでも、「絶対に行わなければならない」とまで言えるものではありません。

なかには、「自分が死んだらできるだけ簡潔に葬儀をしてほしいし、法要などは一切必要ない。むしろ、何もしないで欲しい。」と希望している人もいます。その場合は、故人の意思に従うべきだと思います。

ただし、葬送儀礼や法要・法事は、遺された人間が心の整理のために行うものだという性格も強いものです。

菩提寺との関係もありますから、生前から家族間でしっかりと話し合っておくことが必要です。

しかし故人が「法要をしてほしくない」と強く希望していた場合は、それに沿うのもひとつの考え方だといえるでしょう。

また、単純に「やる・やらない」の二極化で考える必要もなく、以下のように「簡潔化した一周忌」のやり方を選ぶこともできます。

  • 僧侶は呼ばないが、みんなで集まって食事をする
  • 僧侶は呼ばないが、家族だけで集まってお墓参りをする
  • 僧侶は呼ばないしみんなで集まることもしないが、それぞれがその周辺でお参りにいく
  • 僧侶を呼ぶが、親族は呼ばないで家族だけで手を合わせる
  • 僧侶を呼んでお経をあげてもらい墓参りもするが、食事などはせずその場で解散

時間的な負担や金銭的な負担と「供養したい」という気持ちがせめぎあっているのであれば、このようなスタイルを選ぶのもひとつの方法です。

また、もしも一周忌を行う・行わないの判断に迷った場合は、葬儀会社に相談してみるのもよいでしょう。

葬儀会社のスタッフは、葬儀だけでなく法要・法事にも精通しています。

納骨式

一周忌をひとつの区切りとして、納骨を行うことがあります。しかしこれは、「一周忌に納骨をしなければならない」ということではありません。

納骨を行うタイミングは、家族の意向によってのみ決められるものであり、「●月●日までに、必ず納骨を行わなければならない」とされているわけではありません。

ただ、一周忌のタイミングで納骨を行えば、別途「納骨式」を行うための時間を確保しなくてもよいというメリットはあります。

納骨を行うためには、埋葬許可書が必要です。これは火葬のときに発行されるものです。

納骨の際にお墓にお供えするものについては、「果物などのお供え物は不可」「腐るもの(花は例外)は置いてはいけない」としているところもあるので、事前に確認しておきましょう。

実際には、納骨は四十九日までに済んでいる場合が多いので、一周忌で行う事は少ないといえます。

まとめ

法要は仏教に根差した宗教行事として大切にされてきました。現代でも多くの方が法要を行うのは、故人の供養はもちろんですが、故人を思い、親族や友人が集まるということを大切にしているためでしょう。

一周忌法要は初めての年忌法要であるため、わからないこと多いと思います。そんな方のために、かなり詳しく解説してきたつもりですが、どうしてもわからないことがあれば、葬儀社やお寺に相談することをお勧めします。

一周忌法要の日程,場所,招待者,引き出物などの準備の仕方などについてはこちら

一周忌法要の準備-日程,場所,招待者,引き出物などを決める


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