親しい人、大切な人、お世話になった人。たとえどんな間柄であっても、人の死は突然に訪れます。
「どうしても都合が合わない」「遠方のため参列できない」「体調が悪い」などで、大切な方とのお別れに行けない、欠席せざるを得ない場合、どう対処すべきでしょうか。
突然の訃報や、通夜・葬儀の知らせの連絡があっても辞退せざるをえないとき、心残りがないようにどのように行動すればよいのか。
この記事では、葬儀に辞退(遠慮)する時の参列辞退のマナーや、参列出来ない時の弔意を伝える方法など、現在の葬儀事情を踏まえながらご紹介いたします。また、不覚にも葬儀後に訃報を知ったとき、弔意をいかに伝えるかついてもお話しします。
これらのシーンで大切なのは、故人の冥福を祈りたい、遺族にお悔やみを伝えたいという気持ちです。お葬式に参列できない場合の、失礼がなくスマートな対応について学んでいただければ幸いです。
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参列できない旨を伝える辞退のマナー
参列辞退の連絡をする際には、タイミングやマナーを守った伝え方がとても重要です。葬儀や法事の欠席の連絡はなるべく早く伝えます。ご遺族の事情を考慮し、どんなに遅くても前日までには連絡しましょう。
参列を辞退する場合には、欠席の理由を伝えて謝罪します。親族などの親しい間柄であれば、参列辞退の理由を正直に伝えても問題ありません。欠席理由を曖昧にすると、かえってトラブルになる可能性もありますので注意しましょう。
また、親族以外の間柄であれば、必ずしも欠席の理由を明確に伝える必要はありません。『やむを得ない事情』『一身上の都合で』などの表現を使って欠席の旨を伝えます。
参列辞退の連絡手段
訃報が届いた際、欠席の連絡方法は、本来であれば顔を見て直接お伝えする事が最善ですが、難しい場合も多いでしょう。その場合、電話やメール、手紙など、連絡のつきやすい方法で構いません。状況に応じて早く確実に相手に伝わる連絡手段を選びましょう。
電話
電話は肉声なので気持ちが言葉の表現が相手に伝わりやすいというメリットがあります。
電話での欠席連絡を入れる場合は、相手の都合を考慮してください。相手の忙しくない時間を見計らって連絡を入れましょう。長時間の会話は避け、辞退する旨を簡潔に伝えるようにします。
普段からあまりメールなどを使わない方には電話にするなど、状況に応じて早く確実に相手に伝わる連絡手段を選びましょう。
メール・LINE
メールやLINEでの連絡方法は、日常的に使用している為、簡単に連絡が出来るというメリットがあります。ただし、遺族が忙しく見落してしまう場合があるので注意が必要です。
どんなに親しい間柄でも弔事であることを忘れず、失礼のないようにマナーを守り丁寧な文面を心掛けます。
手紙
手紙は相手の手元に届くのに時間がかかります。法事の場合は時間に余裕があり、返信用はがきを使う事がありますが、お葬式の場合は、訃報を聞いてから速やかに参列の辞退を伝えるのがマナーです。
手紙のみで辞退の連絡をするのは避けた方がいいでしょう。まずは、電話やメール等での辞退連絡を迅速に相手に伝えることが大切です。改めてお悔やみとお詫びの気持ちを込めた手紙を送ると丁寧です。
いずれにしても、参列を辞退する場合は、相手に失礼のないような伝え方をすることが大切です。丁寧なマナーを守った言葉を心掛けること。特に、『忌み言葉を避ける』『絵文字は使用しない』『長文は控える』などの注意が必要です。
※忌み言葉の例 「追って」「続いて」「引き続き」「また」「四苦八苦」「七転八倒」「浮かばれない」「死ぬ」「死亡」「生きていた頃」「生存中」
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欠席でも弔意を伝えられる様々な方法
弔電(電報)を送る
参列が出来なくとも、故人や遺族に向けてお悔やみの気持ちを伝える場合は、弔電(電報)が一般的です。諸事情などでどうしてもお通夜や葬儀などに参列できない場合に送るものが弔電(電報)です。
弔電(電報)は葬儀や告別式で読み上げられるのが一般的なので、お通夜や葬儀の前日までに送ることがマナーです。ギリギリの到着にならないよう、訃報のお知らせを聞いてから速やかに手配をしましょう。遅くとも、葬儀開式の3時間前までには届くように手配をします。
葬儀が終わってから弔電を送るのは失礼になりますので、もし間に合わない場合は諦めるべきです。後日、弔問されるか香典を手紙と一緒に郵送することをお勧めします。
宛名は喪主宛に喪主名(フルネーム)で送ります。もし、喪主の方の名前が分からない場合は、《故人名(フルネーム)ご遺族様》とします。送り先は葬儀が執り行われる式場に送ることが一般的です。
弔電の申込みは、電話やインターネットなどから行えます。線香やプリザーブドフラワーがセットになったものなど、様々な種類がありますので関係性に合わせて選びましょう。
香典を渡す
やむを得ず参列を辞退する場合でも、香典でお悔やみの気持ちを伝える事が出来ます。
香典の渡し方ですが、大きく分けて「代理人に頼む」「郵送」があります。
代理で頼む方がいない場合は、郵送にて香典を送ります。香典は、必ず現金書留で郵送します。ただし、現金書留は日時の指定できない、本人以外は受取りができないなど、送る際は注意が必要です。忙しい葬儀当日を避け、自宅宛てに指定して、遺族への配慮をしながら郵送します。
供物や供花を送る
参列が出来なくとも供物や供花、贈り物で弔意を伝える事が出来ます。一般的には、供物(お線香・ローソク)、供花(生花・アレンジメント)などです。
また、遺族が供物や供花を辞退している場合もございますので、その場合はご意思を尊重して、送ることは控えましょう。
後日に弔問をする
葬儀に参列できない場合に、後日改めて自宅に弔問する方法もあります。いきなりの訪問は失礼になりますので、まずは、電話にて「是非お伺いしたい」「お線香を上げさせていただきたい」という弔問したい気持ちをお伝えし、ご遺族のご都合を伺いましょう。
弔問のタイミングですが、葬儀や告別式の後片付けなどが落ち着く三日ほど空けてから四十九日までが良いとされています。
マナーを守り、ご遺族の負担にならぬよう、あまり長居をせず滞在を短い時間で切り上げるなど、配慮をしながらの弔問を心掛けましょう。
葬儀に出席する際の心得マナーについてはこちらの記事をご覧ください。
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